Q45)契約書について

A45)
 先日、契約について質問がありましたので今回はその事について書きたいと思います。

 設計事務所との契約、工事会社との契約、設計施工会社との契約など住宅取得にあたり様々な形で契約書が交わされます。
 契約書は、発注者である建築主(施主)と請負者である設計事務所や工事会社の名前が明記され、工事場所の住所、規模、金額、期間、支払い条件などか記載され、加えて契約約款として契約内容の詳細が明確に示された書類が交わされる事になります。
 約款については、民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款や、民間建設工事標準請負契約約款などがあり、その他会社独自の約款などもあると思います。
 私の事務所では、工事請負会社の方へ民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款に基づいて建築主と契約して下さいと要望しています。理由は、内容が他の約款より充実している事が最大の理由です。工事会社では他の約款を採用している場合もあるのかもしれませんが、この要望を拒否されたことはありません。そして、場合によって個別の特記事項を協議の上加筆したりもします(稀ですが)。民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款は沖縄県建築士会などで230円で購入できますので、興味のある人は見てみて下さい。枚数も2、3枚なんて薄い物ではないので読み応えありますよ。

 あと、契約に当たりひな形を求め事前に内容を確認してから契約を出来るようにしています。契約当日、いきなり支払い条件など詳細を提示されても把握し吟味することもままならないはづなので、事前確認が出来る環境を整えています。
 設計士などを立てず、自身で設計施工会社などと契約する際には、事前確認の上契約内容を把握し吟味できる状態を求め、それから契約をするようにしたらどうでしょうか。その要望を固辞する会社はないはずです。

 住宅取得は大きな買い物ですが、一般の人は工事内容など専門家ではないので分からないことばかりで、不安が募ると思います。しかし、契約書や約款は文書化され事前に時間を掛けて吟味できる物であり、建築業界に特化した専門知識がなくても、一般的な知識の範囲で理解できる事柄ですから、住宅取得の第1歩はここから始まるくらいの認識で、手に取り読んで見てはいかがでしょうか。五里霧中の中、一つでも自身で確認し理解の上スタートできれば、不安も解消されて行くかもしれませんし。

 どの契約約款が一番良いとかは一概に言えませんが、自身が納得できる内容の契約内容で契約する事が、一番良い事と言えます。

<2005年7月執筆>