Q20)地下室を作るとお金掛かるの?

A20)
 地下室をつくると工事費用高くつくの?と言う質問を今まで何回か受けましたので、今回はそのことについてお話したいと思います。
 結論から言いますと、同じ大きさの部屋を地上に作るよりは、多少高くなるでしょう。その理由は、地面を掘り下げるからです。地上に部屋を作るなら基礎以外の部分での地面の掘り下げ作業はないのですが、地下室なるとその分の工事になります、建物として形の残らない工事項目が増えるからです。
 では、いいことなしかと言うとそうではありません。平成6年の建築基準法の改正によって一定の条件に適合していれば「当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、容積率に算入しない。」と言う項目があります。(容積率については以前このコーナーで説明していますので省略します)と言うことは、地下室のない建物より、計算上1.5倍の床面積の住宅が作れることになるのです。ここで単純計算してみると・・・・

 建築坪単価(坪単価についても以前このコーナーで説明していますので省略します)
 地上部分・・・・60万/坪
 地下部分・・・・85万/坪
 と仮定して計算します。
 
1)住宅の限度一杯の容積で建てて100平米の条件の土地に100平米(約30坪)の地下無し住宅を建てると・・・・
   30坪×60万/坪=1,800万

2)同条件敷地に地下室を計画して容積限度一杯建てるとすると・・・・150平米(地上部分約30坪、地下部分約15坪)の住宅が建築可能となり・・・・
   30坪×60万/坪+15坪×85万/坪=3,075万
 
 工事費を比較すると3,075万÷1,800万=1.7倍
 1.5倍の床面積を得るのに1.7倍の工事費が掛かることになります。やはり少し割高ですね。ただ、地下室は後で増築と言うことがそう簡単にはできませんので、始めの投資でこの1.5倍の床面積を手にする事ができる訳ですね。言い換えれば、後で欲しいと思っても「はい!地下室増築しましょう!」と言う訳には行かない物が手に入る訳ですね。
 地下室ならではの利点もあれば、設計・工事の上で地下室ならではの注意点もあるので、ケースバイケース、地下室の必要性など家族や設計士と十分検討してから計画しましょう!

<2003年6月に執筆>